第二回キャラクター人気投票で2位の座を射止めた”水柱”冨岡義勇。
週刊少年ジャンプに掲載された『鬼滅の刃 煉獄杏寿郎 外伝』とともに『鬼滅の刃 冨岡義勇外伝』の単行本化も予定されています。
冨岡義勇がなぜここまで人気なのか。
その理由の1つとして、”圧倒的な実力の持ち主であること”、が挙げられます。
義勇は9人の柱の1人であり、水柱を務めるほどの人物です。
(ちなみに”柱”の漢字が”9画”であるため、柱の構成は9人となっているようですよ)
義勇は炭治郎が全ての振り絞っても勝てなかった下弦の伍”累”を、一瞬で倒してしまうほどの強さを持っています。
そして義勇といえば、一風変わった羽織が印象的です。
伊之助からは「半々羽織」と呼ばれていましたね。
では、この「半々羽織」には、どんな意味が隠されているのでしょうか。
義勇の“半々羽織”
義勇のトレードマークといえば、柄物と無地の生地を丁度半分ずつ縫い合わせた羽織です。
伊之助が「あんな半々羽織は見たことがない」と劇中で呟いていますが、振り袖や浴衣では比較的ポピュラーであり「片身替模様」と呼ばれています。
この「半々羽織」・・・
無地の部分は、”優しかった姉の形見である着物”。
もう一方の柄は”親友である錆兎の着物”が使用されています。
(錆兎の羽織の柄は、吾峠呼世晴先生の完全オリジナル柄のようですね)
義勇は実の姉と錆兎に命を救われており、
この過去があるからこそ、義勇の「半々羽織」には、”過去に対する想い”と”未来を託された故の覚悟”がこめられています。
では義勇にはどのような過去があったのでしょうか。
最愛の姉への想いがこめられた半々羽織
義勇の両親はともに病気で他界したため、義勇は長らく姉・蔦子と2人で生活していていました。
姉・蔦子は既に祝言を挙げることが決まっており、明治末期の女性の平均結婚年齢が23歳前後と考えると、義勇とは一回り以上年齢が離れていたと考えられます。
そのため、義勇にとっては姉・蔦子は”姉”であるとともに”母”の役割も果たしていたと言えるでしょう。
しかし義勇にとっての唯一の肉親である姉は、
”祝言を挙げる前日”、鬼から義勇を守ったことで帰らぬ人となってしまいます。
(参考資料&引用)
©吾峠呼世晴/集英社・鬼滅の刃
このことがきっかけで、
義勇は”自分を守ったせいで姉が犠牲になってしまった”と、自己否定感と負い目を抱えて生きていくことになります。
「お前も繋ぐんだ、義勇」
最愛の姉を失い、その負い目から自己否定の塊であった義勇。
その義勇の心を解放してくれたのは、同じ境遇である”錆兎”の存在でした。
「お前も繋ぐんだ、義勇」
(参考資料&引用)
©吾峠呼世晴/集英社・鬼滅の刃
錆兎が発したこの言葉は、「姉・蔦子が自分の命をかけてまで義勇の命を守って繋いでくれたこと」、そして「託された命を粗末に安く扱うな」と義勇に告げたものです。
その後、錆兎は最終選別によって命を落とすこととなります。
あの”手鬼”によって・・・・。
この最終選別には義勇も参加しており、
鬼に怪我を負わされた義勇でしたが、錆兎によって命を救われます。
錆兎は義勇を救った後、別の助けを求める声の方へ行き、
帰らぬ人となってしまいました。
「錆兎の命と引き替えに自分だけ生き残ってしまった」と、義勇は再び自己否定感に苛まれます。
しかし義勇は、自己否定感に苛まれながらも、“大事なこと”を守ることを決意します。
その決意こそが、半々羽織に込められた思いといえるでしょう。
半々羽織は2人の形見を片身ずつ合わせることで、片身替と形見変を掛けた意味合いをもつとも言えるはずです。
義勇は片身替着物で登場するはずだった?
実は劇中の設定と別の意味合いもこの羽織にはこめられています。
週刊少年ジャンプ連載時前の事前会議、そして初期ネームでは冨岡義勇は着物で登場する予定でした。
これは単行本1巻に掲載されていますが、片身替模様の着物を着て刀を構える義勇の姿を見ることができるはずです。
前述した通り浴衣、振袖、着物といった和装で片身替は珍しくないため、さほど印象には残りません。
当時連載を担当していた片山氏の「もうちょっと大正感が欲しいですね」この言葉で吾峠呼世晴先生が詰め襟服と片身替模様の羽織姿を提案。
これによって“大正時代感”が強調されるとともにオリジナリティが確立、存在感のあるキャラクターとして読者に受け入れられていくことになるのでした。
まとめ
今回は、「【鬼滅の刃】富岡義勇の過去とは?半々羽織に秘められた思いとは」と題して、
・義勇の“半々羽織”
・最愛の姉への想いがこめられた半々羽織
・「お前も繋ぐんだ、義勇」
・義勇は片身替着物で登場するはずだった?
上記内容についてお話ししていきました。
下記記事も併せてお読みください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。